授業中に児童のプリントやノートをテレビに映すために、書画カメラ(実物投影機)を使おうとして角度やズーム、明るさなどの設定に手間取ったことはありませんか?
いざ、設定ができて子どものプリントを見せようとしても・・・
この間に他の子どもたちは集中力を切らしてしまったり、授業時間をロスしてしまったり・・・
そこで大活躍するのがAppleTVです。一体AppleTVとはなにものなのか、どんな使い方ができるのかを紹介したいと思います。
目次
Apple TVとは
Apple TVとは、テレビに接続することでiPhoneに入っている画像や動画などを無線で転送してテレビの大画面で観たり、Apple TVにインストールしたゲームや動画配信サービスを利用できる据え置きタイプのデバイスです。(※ androidとの連携は難)
ざっくりと絵で表すと下のような接続になります。
iPhone・iPadがテレビに有線でつながっていないので、動きながらでも(10mほど)離れても使用できます。
安いモデルで、税別15,800円から購入できます。
学校現場においてAppleTVの一番の利点は、iPhoneやiPadの画面をそのままテレビに映す「ミラーリング」が無線でできることです。
あらかじめ撮影しておいた写真・動画をテレビの大画面に映すことができるので、必要な教材をあらかじめiPhoneやiPadなどに入れておけば、好きなタイミングでテレビに映すことができます。もちろんPowerPointなどのスライドも映せます。
つまり、机間指導をしながら いいな と思った子どものプリント類の写真を撮っておき、共有する場面でパッと表示することができるのです。
こうすることで大幅な時間短縮ができ、授業を中断する必要も無くなります。
以前は有線でiPadをテレビに接続して使っていましたが、机間指導しながらミラーリングしたいと思う場面が多く、AppleTVに移行しました。
また、AppleTVは、Wi-Fi環境がなくてもミラーリングできます。
別記事で紹介しているFireTVはWi-Fiがないとミラーリングできません。
(未確認ですが、FireTVとAndroidのMiracastはWi-Fiダイレクト接続により可能とのこと。)
「ミラーリング」はiPhoneの画面をそのままテレビに映してしまいます。
見せる画像を選択してから「ミラーリング」をすること、通知がこないように「おやすみモード」に設定することをお勧めします。
ここからは具体的な設定を紹介していきます。
Apple TV の初期設定
まず、Apple TVを購入してテレビに接続(HDMIケーブル別売り)をすると、Wi-Fiへの接続が要求されます。
職場にWi-Fi設備がない場合は、自宅で初期設定をしておくか、テザリング等でWi-Fi接続をしてください。
Wi-Fiに接続するとApple IDの入力が求められます。事前に確認しておきましょう。
その後、「設定」(コントローラーのMenuボタン)からスクリーンセーバーをオフにしたり、オートスリープ(自動で電源オフになる機能)などの設定を(お好みで)すれば終わりです。
AppleTVの電源はiPhoneなどからミラーリングを開始すると自動的にオンになります。
iPhone、iPad側の設定
Apple TVの設定が終わったら、次は手持ちのデバイスの設定です。( iOS 11以降での説明です。)
画面の下から上にスワイプして(iPhone Xなどは右上から下へ)「コントロールセンター」を開き、Wi-Fi・Bluetoothをオンにします。
この時に、すぐ下にある三日月のマークを押すと「おやすみモード」(メールなどの通知オフ)になるので、オンにしておきましょう。
そのまま、「コントロールセンター」の「画面ミラーリング」をタップします。するとiPhoneがApple TVを検索してくれます。Apple TVが表示されたらタップします。
以上でミラーリングができます。
オフにしたいときは、同じく「コントロールセンター」の「画面ミラーリング」をタップして、「接続を解除」でオフになりApple TVの画面に戻ります。
iPhoneでは横画面表示にするためには、「画面縦向きのロック」を解除しておきましょう。(おやすみモードとなりの鍵マーク)
AppleTVのホーム画面にはお勧め映画、Hulu、Netflixなどがあり、子どもが気にしてしまうのでミラーリング解除の前にテレビの電源を切るか、事前にAppleTVリモコンのMenuボタンを押して、AppleTVの「設定」画面を事前に一度開いておくといいでしょう。
効率的な使い方
Apple TVを授業で効率的に使うための具体例をいくつか上げていきたいと思います。
①子どものノート・プリントをテレビに映す。
子どものノートやプリントを書画カメラではなく、iPhoneなどのカメラで撮影しておくことで、必要なときにサッと表示することができます。
もちろん、ミラーリングしたままカメラアプリを起動することで書画カメラと同様にカメラに映ったものをそのまま映すことも出来ます。
AppleTVは無線接続のため机間指導しながらなど、教室内のどこでも映し出すことができます。
以下、実際の手順
1.AppleTVの電源を入れて、テレビの電源だけ消しておく。
(テレビの電源オンでパッと映せるため)
プロジェクターの場合は、スリープなどすぐに復帰できる準備
2.机間指導などをしながら、iPhone・iPadで映したいノートなどの写真を撮っておきます。(無音カメラアプリを使うことをオススメ)
3.iPhone・iPadでテレビに映したい画像を表示。
4.iPhone・iPad側でミラーリングの設定をする。
(おやすみモードを忘れずに)
5.共有したい場面で、テレビの電源をオン。
6.終わる時には、先にテレビの電源オフ。
(見せたくないものが写らぬようにするため)
※ミラーリングだけでは通信料はかかりません。
②NHK for schoolなどの動画配信サービスを見せる。
今まではDVDやVHSで見せていた動画も、今ではiPhoneなどから再生することができます。
NHK for Schoolでは専用アプリが出ているのでそのアプリを使うことで無料で様々な動画を見ることができます。
(注意:Wi-Fi環境が無い場合には動画分のデータ通信量が発生します。)
NHK for School
無料posted withアプリーチ
以下、実際の手順
1.テレビの電源を消したまま、ミラーリングの準備をする。
2.iPhone・iPadで見せたい動画を準備しておく。
3.共有したい場面で、テレビの電源オン。
4.終わるときには先にテレビの電源オフ。
③プリント・教科書などのPDFを見せる。
私はあらかじめ授業で使うプリントをスキャナーでPDF化し、iPadに入れてあります。
手書きアプリを使って、そのPDFに書き込みをしたり、拡大してわかりやすく説明をしたりして使っています。
アプリによってはPDFに写真を貼り付けることもでき、視覚的に問題解決へつなげることができます。
子どもにiPadとApplePencilを貸せる方は、子どもにiPadへ書き込みをさせてその様子を映し出しておくと思考の過程なども全体に共有できます。
中学生くらいになれば、iPadに書き込みをさせながら説明させることもできるかもしれません。
また、著作権には十分に留意しなければなりませんが、ご自身の学校で採用されている教科書であればPDFにしてテレビなどに映すことは許されるそうです。
(他の自治体での授業や公開授業などはNGの可能性があります)
以下、実際の手順
1.あらかじめ、iBooksや手書きアプリ内にPDFを取り込んでおく。
2.テレビの電源を消したまま、ミラーリングの設定をしておく。
3.iPhone・iPadでPDFを開いておく。
4.共有したい場面でテレビの電源オン。
5.終わるときには先にテレビの電源オフ。
④CDなどを聴かせる。
歌の練習用CDを再生するときにもAppleTVが活躍します。
いちいちコンポを持ち出したり、再生する曲を間違ったりすることなくスムーズに再生することができます。
以下、実際の手順
1.あらかじめ、iTunesなどからCDを読み込んでおく。
2.「ミュージック」アプリで再生したい曲を選び、一時停止しておく。
3.音量調節バーの下にある、共有ボタンを押してApple TVを選択する。
4.聴かせたい場面でテレビをつけて、再生する。
⇨テレビ画面には再生中の楽曲のジャケットと再生時間などが表示されます。
その他
テレビをつけるだけで子どもたちの目の色が変わると思います。
しかし、テレビがつけっぱなしでは子どもの注意が散漫し、逆に集中力の低下につながってしまいます。
必要な場面でのみテレビをつけるようにし、あとは電源をオフにしておきましょう。
また、iPadの場合アスペクト比(縦横の比率)がテレビと合わず、左右に黒い帯が表示されてしまうと思います。
その場合には、テレビ側の設定で「ズーム」や「ジャスト」といった設定にすることで最大限に画面の大きさを活かすことができると思います。
以上、Apple TVについて紹介をしてみました。
有線接続でも似たようなことが可能なので、以下の記事を参考にしてみてください!