最近は様々な分野でICT化、IoT化が進んでいますね。
しかし、ICT教育と言われても実際は何をどうしたらいいのかわからず、時間もないことから地方では全くICT化が進んでいないのが現状です。
とはいえ、いずれやってくるICTの波。
この記事ではICT教育のメリットをお伝えし、「ICTも悪くないかもな」と思ってもらえるよう作成しました。
目次
ICT教育とは
ICT(Information and Communication Technology)とは、情報通信技術を意味します。
文部科学省によると、
「情報提示のためのICT機器は、出力系(プロジェクタ、プラズマディスプレイ、電子黒板等)、入力系(教科書準拠デジタルコンテンツ、実物投影機、インターネット、地上デジタルテレビ放送、CD-ROM及びDVD等による教育コンテンツ等)の2種類に主に分けられる。」
(出典:文部科学省)
とあります。
例えば、テレビに実物投影機(カメラ)をつないで見本を見せたり、児童生徒のプリントを写したり といったことは、すでに多くの先生方が実践されていると思います。これもICTの活用だということです。
ICTと聞くと難しいイメージですが、実はすでに実践されていたり身の回りにたくさんあったりします。最近では各教室に大型テレビが設置されている学校も多いですね。
デジカメ、書画カメラ、タブレット、スマートフォン・・・
ICTは残らないからダメなのか
よくこんな声を聞きます。
私は、それは逆なのではと思っています。
ICTは残ります!黒板よりも!
テレビやスクリーンは黒板に比べ面積が小さいので情報量も減ってしまいます。
なので多くの教材を提示するためには画面を切り替えるしかありません。そういった意味でICTは残らないと言われてしまうのでしょう。
しかし、ICTは黒板に残さなくても、必要な時にもう一度提示することも可能ですし、時間もかかりません。
一方、黒板は消してしまうとすぐに元に戻すことは不可能です。
したがって考え方によってはICTの方が残るのです。
また、場合によっては残らない方が良いこともあります。
ICTで必要な時にだけ提示することで子どもたちの意識を散漫させることなく、動きのある資料などで印象的に提示できるので意識を一点に集中させることができます。
整理されていない乱雑な黒板より、大切なことだけを黒板に残し、それ以外はICT機器で必要に応じて提示すれば良いのです。
情報の選択と提示の仕方
やはり、一度に表示できる情報量に限界のあるICT。
黒板サイズのスクリーンがあれば一発解決ですが、そうもいきません。
そこで、どの教材をどのタイミングでどれくらいの間 提示するかをある程度考える必要があります。例として、5つの場面におけるICTの活用方法をご紹介します。
①導入の場面で、意欲を高める課題の提示を行う。
②教材を提示して、考えさせる。そして発言を板書していく。
③子どものノートを映して発表、全体で考える。
④スライドや図を用いて課題把握・理解を促す。
⑤まとめでNHK for schoolなどの動画を見る。
そのほかにも色々な場面でICTは活用できるかと思います。
それぞれ準備や提示する時間を調整することでより効果的に活用できると思います。
上記5つの活用方法の具体例や注意点は以下の通りです。
①導入の場面で、意欲を高める課題の提示を行う。
・導入では必要なところのみを映すようにして集中させる。
・動画やスライドなど動きのある課題提示で意欲を高め、理解しやすくする。
②教材を提示して、考えさせる。そして発言を板書していく。
・展開の場面で資料を提示し、読み取らせる。(必要な情報のみにしておく)
・発言などのまとめは板書にしていく。
③子どものノートを映して発表、全体で考える。
・机間指導中にノートなどの写真を撮っておき、必要な場面で映す。
・ある子どもの考えを共有し、全体で考える。
④スライドや図を用いて課題把握・理解を促す。
・文章だけでは理解が難しい子どもなどに図や動きのあるスライドで理解しやすくする。
小学5年生 平均の勉強で使った、iPhoneで作ったスライドです。
⑤まとめでNHK for schoolなどの動画を見る。
・NHK for schoolはスマホのアプリにもあるので、必要な動画を見せることができる。
また、予め準備しておけるものについては、ICTで使用する資料を印刷して黒板に貼ると動画のように動きがなくても想起しやすくなります。
結論:バランスが大事
スペースは広いが一度消すとすぐに元に戻せない板書
スペースは狭いがすぐに元に戻せて視覚的に課題を捉えやすいICT
この2つを設備やご自身のスキルに合わせてバランスよく活用していくことが、わかりやすい授業のために大切なことだと私は考えます。
あくまでメインは黒板で補助的にICTを用いるといったイメージで良いと思います。
ICT機器は慣れるまでが大変ですが、慣れてしまえば効率も上がり子どもたちの意欲・理解度の向上にも一役かってくれます。
身についたスキルは今後必ず大きなメリットにつながるはずです。まずは今ある設備で、少しずつ無理のない範囲でスキルを身につけていってみてはいかがでしょうか。